大島海洋国際高等学校 野球部

編集部伊藤の野球部を行く!
第1回 大島海洋国際高等学校

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こんにちは! 編集部の伊藤です。

さて、実はわたくし、中高の部活動は野球部に所属しておりまして「野球の連載だったらちょっと専門的にできそうだな〜」とぼんやりと前々から考えておりました。
これは何事にもそうですが、思うだけでは何も進みません。行動を起こすことが大事。

ということで、おなじみ(?)の 「珍部黙示録」と同じく、「編集部伊藤の野球部を行く!」も開始したいと思います!

第1回は大島海洋国際高等学校(略して海国)です。

親元を離れ、寮生活を行う生徒も多いこの学校。選手のみんなはどのような思いで野球に打ち込んでいるのでしょうか?

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寮からグランドまで走って約20分。もちろんランニングで向かいます

とにかく食べろ! 目標数値を食べられなければ練習に参加できないかも?

取材に訪れたのは3月半ば。ちょうど冬が終わりを告げる頃ですが、一冬越えるだけで高校球児たちはとんでもない成長をするもの。裏を返せば、選手たちの冬の過ごし方はめちゃくちゃ大事だとも言えますよね。

その大事な冬を、海国の選手たちは「スイングスピードを上げる」ために体重のアップを図ってきました。

監督の増子良太先生はこう話します。

「野球においてスイングスピードに関わる指標は、筋力だけでなく体重にも大きな関わりがあることが最近わかってきました。秋の時点でのチームの課題として長打が不足していたことがあり、それをなんとか解決しようと選手に意識させて食べることをこの冬は取り組ませています。『食べられなかったら練習こなくていいから』とちょっと厳しいことも言いました(笑)」

食事量管理
体重測定記録管理票
MAX測定記録管理票

これがこの冬取り組んできた選手の管理表です(クリックすると見れるよ!)。

①は食事量の管理表です。
1食毎に何キロカロリー摂取しているか細かく記録していますね。ちなみにこれは身長などからひとりひとりの目標数値をきちんと出して取り組んでいます。

体重を増やすための必要摂取カロリーは4000キロカロリーを超えてくるんですね……。自分が野球してた頃はご飯何杯でもいけた気もしますが、これを毎日続けるのは結構大変そう。だけど、これも野球が上手くなるため、そして勝つため。これは「こなさなければいけないメニュー」なのです!

あと、除脂肪体重という聞きなれない言葉がありますね。
これは体重から脂肪を抜いた体重のことを言います。体重を増やすといっても脂肪だけついたダルンダルンの体ではアスリート体型とはいえません。まあ、厳しい練習を積めば自然と脂肪も燃焼されると思いますが……(笑)。つまり除脂肪体重は高ければ高いほど筋力も一緒についてきた証拠となりますね。このように海国の選手はバランスの良い体型を目指して食事メニューに取り組んでいます。

②は体重管理表。この表の中村くん(中堅手)は夏から体重が8キログラムもアップしていますね。これなら打球の飛距離やスピードもだいぶ違いが感じられるようになっていることでしょう!

③は筋力値の管理表。自分の筋力がどれぐらいアップしているのかをグラフで表していて、非常にわかりやすいです。

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1番を打つ植田くん。打っているのは「サンドボール」という、砂が入った重めの球。ボールをバットに乗せる感覚がつくとともに、遠くに飛ばない分集めるのが簡単。練習の時間短縮にも工夫がみられる

大島の魅力とは? そして部員は大・大・大募集!

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大島の絶景ポイントのひとつである見晴らし台から

やはり島である以上、簡単に本土に行くことはできません。練習試合がなかなか組めないなど、活動に制限がかかることはたくさんあります。
けれど、部員たちはこの島が大好きだと言います。

「この島の人たちは、大きな家族のような存在です」
とキャプテンの千代留くん。千代留くんも本土から来た生徒のひとりです。
「自分たちは授業でダイビングなどをするんですが、普通の高校に行っていたらこういった体験はできなかったと思います」

不便なことなどはあまり気にしていないようですね。
むしろ大島でできることを目一杯楽しんでる、そんな印象を受けました。

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キャプテンの千代留くん。ショートを守り守備でチームをひっぱる

だたし、いま海国野球部は10人で活動しています。
3年生7人と2年生3人の合計10人。そう、人が足りないんです…….!

「今なら入ってすぐに試合にでれる可能性もあります」と部員のみなさんも言っています。
ただし、レベルは決して低くありません(この次の大会レポートでもお知らせします)。自分があんまり野球は上手じゃなかったこともありますが、このチームで高校生の自分がレギュラーは獲れないと思います。そのぐらい鍛えられているチームです。

ちなみに、今まで黙っていたわけではないですが、監督の増子先生は2003年の夏の大会で東東京代表として甲子園に出場した雪谷高校のキャプテンです。甲子園でも2安打しています。今は指導者として甲子園の土を踏み、都立初の「甲子園での1勝」を目標に頑張っています。
そんな先生のもと野球をしたくありませんか?

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監督の増子先生。都立雪谷高校で甲子園出場を果たし、甲子園でも2安打している。

「野球がしたい」

そんな思いを持っている中学生の君。この学校も選択肢に入れてみてはどうだろうか?

冬の成長を見せた春季大会ブロック予選

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2016年3月13日、東京都春季大会ブロック予選が開幕し、海国もこの大会に出場するために大島から船で本土に乗り込んみました。

昨年の秋からこの大会まで試合をしてこなかった海国の選手たち。「試合に飢えている」という言葉がでるほどこの大会を待ち望んでいました!

初戦の相手は都立秋留台高等学校。相手のエース、結構速い球を放っていて「これを打つのはなかなか難しいぞ」という印象。

試合は、4回が終わるまで0対0。フォアボール、エラー両チームともに少なく非常に緊迫した試合展開です。

この拮抗(きっこう)をやぶったのは海国3番の高田くん。5回のチャンスで長打を放ち1点先取。
その後8回にビッグインニングを作った海国が終わってみれば7対0で8回コールド勝ち。
先発の近藤くんはヒットは許すものの要所でしめ、なんと無四球完投勝利でした。

長打が出ていたのがやはり冬からの成長が見られたところです。体重アップの成果がでていますね。学校行事の事情で2回戦には参加できないというのが非常に残念でなりませんでしたが、選手たちは夏までまたスケールアップして戻ってくるでしょう!

最後はチームのアピールポイントを聞いてみました!

【大島海洋国際高等学校のアピールポイント】
強気!!

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「何事も打ち砕く強気!!」がこのチームのアピールポイントとのこと。
「島だから環境が」とかクヨクヨせず、そんなことは跳ね返すぐらいの強気で夏の大会もどんどん勝ち進んでほしいですね!

以上、編集部伊藤の野球部を行く!第1回大島海洋国際高等学校でした。
いかがでしたでしょうか?

ちなみに取材してほしい都内の学校大募集です。喜んで取材に行きます!
取材希望はこちら→thebukatsu@chopin.co.jp

これから少しずつ取材に回れたらいいと思いますので、長い目でよろしくお願いします!

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